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△(デルタ)

横井健司(ヨコ)は美大を卒業後、大学で教鞭をとりながら制作を続け、日本のアート界で着実に成功を収めようとしていた。恋人の杉本ふみ(フミ)もそんなヨコを支えていて、何もかもが順調に思えていたが…。旅井とりが現代アートに生きる男女の激しい恋愛を描く期待作。アートコラムも読める!

旅井とり◆大ヒット作「めしばな刑事タチバナ」を週刊アサヒ芸能で連載中。
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【Δ(デルタ)】第1話

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『Δ(デルタ)〜ヨコとフミとクドウのこと〜』は現代アートの世界で生きる男女の恋愛を描いたマンガなんですが、読者のみなさんは現代アートにあまり馴染みがない方が大半だと思いますので、このコラムで補足していきたいと思います。何卒お付き合いくださいませm(__)m

第一回目のお題は「現代アートギャラリー」


SAATCHI GALLERY at LONDON

現代アートギャラリーといっても形はさまざまなんですが、大きく2つに分けられると思います。お金を出せば誰でもレンタルできる貸しギャラリー。次に複数のアーティストが所属し、ギャラリー自身の裁量で企画・展示していくコマーシャルギャラリー。マンガの中でヨコが作品の展示を行っている「GALLERY SAKURAI」もコマーシャルギャラリーに当たります。今回はこのタイプについて書きたいと思います。

ギャラリーの役割にまず展示・宣伝があります。ギャラリーには様々な役割を担ったスタッフがいて、その中のディレクターが展示の企画を立てる形になります。今回のマンガだと「GALLERY SAKURAI」のディレクターが「横井健児」というアーティストを特集した個展「TOTAL MATERIALS」を企画し、その後、インターネット、チラシ、ダイレクトメールなど、さまざまな媒体を利用して宣伝し、ヨコが制作した作品を展示したということになります。

展示期間は一般的に、短いもので数日、長いものだと数ヶ月に及びます。マンガのように展示の初日にはオープニングパーティーが開かれることが一般的です。ちなみに、一人のアーティストを特集した展示を「個展」と呼び、複数のアーティストの場合を「グループ展」と呼びます。

スタッフの人件費にはじまり、宣伝費、場所代や作品の輸送費等(作品の制作費を負担することもあります)、一つの展覧会をとってもギャラリーは少なくないコストを負担しています。また美術館と違い、ギャラリーでの作品鑑賞はほとんどの場合、無料です。しかしコマーシャルギャラリーはあくまで営利企業であり、収益なしではつづけていくことができません。では、どのように収益を上げているのでしょうか?

それがギャラリーの最も重要な役割になるのですが、作品販売を通じてなのです。ギャラリーに展示されている作品にはひとつひとつ値段がついていて、誰でもその値段を出せば買うことができるのです。通常、ギャラリーには作品のプライスリストが書かれた用紙が用意されてあり、売れた作品には赤いシール、商談中の作品には青いシールが貼られることが多いです。

販売する場所はギャラリーだけにとどまらず、アートフェアという展示販売会を通じても行われます。代表的なものですと、「アートバーゼル」という現代アートの大規模フェアがスイスのバーゼル・香港・アメリカのマイアミで年に一度開催され、世界中から、日本からも多くのギャラリーが参加し、作品を販売しています。

作品を購入する人はさまざまで、純粋にコレクションしたいというコレクターだったり、美術館が収蔵を目的に買うこともあります。また、将来作家が有名になったときの作品価格の高騰を狙って投資目的で買う人もいます。実際にサザビーズ、クリスティーズといった有名オークションでは、かつて無名だったアーティストの作品が、ギャラリーで販売されていた当初の価格の何百倍、何千倍という金額で落札されることはそう珍しいことではありません。現代アート作品にはある種の金融商品的な側面があるのも事実です。世界の現代アート界では驚くほど巨額のお金が動いていて、欧米のギャラリーには売上高が数十億円にのぼるところもあります。

とはいえ現代アートも現代アートギャラリーも気軽で親しみやすいものです。日本、特に東京には現代アートに限ってもたくさんのギャラリーが存在します。見るだけならお金もかかりません。気軽に足を運んでみて、お気に入りの作品やアーティストを探すのも楽しいものですよ。

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