経営者を知らないまま働くなんてもったいない!

『経営者学 突然やってくるチャンスへの備え』 ―社員が語る、自社の本経営者を知らないまま働くなんてもったいない!

作品紹介

2025.10.10

社長は「孤独な仕事」だ。
数字も人も時間も、すべての矢印が自分に向かう。その重圧をどう乗り越え、どう未来を切り開くのか――。
笹井英孝著『経営者学 突然やってくるチャンスへの備え』は、20年にわたり「職業経営者」として再生・成長・上場・売却の修羅場を駆け抜けた著者が、その実践知を凝縮した“経営者学”の決定版です。就任初日の空気の作り方から、意思決定の極意、「胆力」と「回復力」の鍛え方まで、現場で即使える知恵が具体例とともに展開されます。
本記事では、実業之日本社の社員が自らの視点で率直に綴った書籍の感想を紹介します。経営者ではない一般社員の彼が、この本を読み、どのような気持ちを抱いたのでしょうか。
以下、実業之日本社 国見幸樹による感想です。



率直な感想、とても面白かった!
最近ビジネス書を読んでいなかったけれど、「今のビジネス書ってこんなに面白いのか?」と驚いた。
『経営者学』というタイトルからして経営者向けに書かれた本だから、経営者ではない自分を含め、一般のサラリーマンはなかなか手に取らない本だと思う。
だからこそ、「タイトルだけ見て自分には関係ない」と感じてしまう人に向けて感想を書きたい。
「経営者になりたい」と思って日々仕事をしている人は、いったいどれくらいいるだろうか。
少なくとも自分にはその思いはまったくないし、身近にもそういう友人はほとんどいない。
けれども考えてみれば、野球少年が努力を重ねてキャプテンになるように、先生が経験を積んで校長先生になるように、サラリーマンを続けていけば経営者になる可能性はある。
経営者は特別な存在に見えるけれど、実はキャリアの延長線上にいる存在なのだ。
さらに、どのサラリーマンにとっても共通して言えるのは「自分の会社に経営者は必ずいる」ということ。
その存在とは、必然的に関わらざるを得ない。

だからこそ、この本は「経営者を目指す人」だけでなく、「経営者とは何かを知りたい人」にとっても役立つ。
得体の知れない存在として経営者に向き合うより、彼らが何に悩み、何を考えているのかを知ることは、自分の仕事に直結する。
経営者が怖く見えるのは、ただ「知らないから」にすぎない。
だが、この本は悩める経営者に向けて書かれているからこそ、経営者の「解体新書」のように、その内面が鮮明に浮かび上がってくるのだ。

経営者になりたいと思っていなくても、出世したい・給料を増やしたいと思う人は多いはず。
そういう人にとっても、この本はめちゃくちゃ使える。
経営者が何を大事にし、どんな人材を求めているのかがわかるからだ。
経営者の求める人材になれば抜擢され、成果も出やすい。
それはゴマすりや頭を下げることではなく、会社を成長させる本質的な行動だ。
ここで学んだことは、どこでも通用するビジネススキルになる。

そして、この本を読むと「経営者=スーパービジネスマン」だとよくわかる。
経営者を目指していなくても、この本に書かれていることを実践すれば、ビジネスマンとして確実に成長できる。

さらに、この本は単なる学びにとどまらず、「読み物としての面白さ」も大きな魅力だ。
著者の笹井さんが、自分の葛藤や失敗を臆面もなくさらけ出しているからこそ内容が濃く、表現力も豊かで、自然とページをめくってしまう。

経営者の自伝的ビジネス小説としての側面があり、かつて読んだ『破天荒フェニックス オンデーズ再生物語』(田中 修治著/幻冬舎刊)と同じように、一気に読んでしまう没入感がある。
ビジネス書として学べる部分とのバランスも絶妙で、読後には深い納得感が残る。
読んで本当に良かったと思える一冊だった。