我が子をぎゅっと抱きしめたくなる絵本

『みつけたよ よろしくね!』作品解説 広瀬克也我が子をぎゅっと抱きしめたくなる絵本

自作解説

2026.06.03

星イラスト
⋱ 『みつけたよ よろしくね!』について ⋰
子ども自身が夜空からお母さんを探し、自分の意志でやってくる姿を描いた新しい誕生ストーリーの絵本。
広瀬克也氏ならではのカラフルでユーモアあふれる世界観と心地よいリズムは、日々の読み聞かせにぴったり。
メッセージを書き込めるスペースもあり、出産祝いや成長の節目など、大切な人へ想いを届けるギフトにも最適な一冊です。
みつけたよ よろしくね! イラスト
犬猫イラスト

かつての作品をリメイクした新作。日常を書き留める楽しさや、作品に込めた想いを作者が綴ります。

20年の時を経て、2つの「あかちゃん絵本」がひとつの新たな作品へ

この『みつけたよ よろしくね!』は、20年以上前に作った『みつけたよ!』と『まあだだよ』のリメイク版です。

当時、僕にとって初めての「あかちゃんの絵本」だったのですが、楽しく作れたことを覚えています。だから今回、復刊のお話をいただいた時は、とてもうれしかったです。

前作をそのまま復刊するという方法もあったのですが、せっかくなので改めて描き直し、2つの絵本をひとつにまとめました。

画材は不透明水彩絵具とパステルを使って描いています。そして、こどもたちの顔をちょっと変えたり、空からおりてくる前のシーンを描き加えたり、あちらこちらのページの展開を変えたりと、ニュアンスに変化をつけてみました。

夜空を泳ぐ子どもたち
水玉あしらい

「ママのところに来たんだよ」2歳の娘との会話から生まれたヒント

子どもが生まれるということは、とても大きな出来事ですし子どもを迎える気持ちは格別なものです。

僕の娘は2歳にもならない頃、「ママのところに来たんだよ」とか、「お腹の中は温かくて気持ちがよかったよ」と言っていました。「そうか、それってすごくいいなあ」と思ったことが、この絵本を作るヒントにもなっています。(娘が少し大きくなってから、もう一度聞いたら「うーん、忘れちゃったな」と言っていました。笑)

子育て真っ最中の方におすすめしたい、日常を書き留める「記録ノート」

こうした小さな頃の娘との会話は、当時、僕が書きとめていたノートから見つけたものです。後々、このノートを何かの役に立てようと思って書いていたわけではなく、「おもしろいこと言うなあ」と感じたことや、エピソードをどこかにメモしておきたい、という気持ちで書きとめたノートなんですけれどね。

こんなふうに簡単な記録ノートは、今、子育て真っ最中の方にもオススメです。後から、子どもと一緒に見直しても楽しいし、「こんなことあった、あった!」と、結構笑えますよ。

生まれながらに「すごい力」を持つ子どもたちと、温かく「よろしくね」と言い合える関係を

子どもは、生まれながらにすごい力を持っていると思います。それがどんな力なのか、すぐにはわからないけれど、いつか見えてくる。そこがとても楽しみなところでもあります。

子どもと親はもちろん、周りの大人も子どもと「よろしくね」と言い合える関係がいいなと思います。

改めてそんなことを考えながら、この絵本は出来上がりました。楽しんでいただけたら、とてもうれしいです。

【著者プロフィール】 広瀬 克也(ひろせ かつや)
1955年、東京都生まれ。絵本作家、グラフィックデザイナー、イラストレーター。
『おとうさんびっくり』(絵本館)でデビュー。代表作に、ユーモラスな世界観で子どもたちから絶大な人気を誇る『妖怪横丁』などの「妖怪絵本」シリーズ(絵本館)、『ねこ おどる』(絵本館)など多数。
全国各地でのワークショップ活動などでも活躍している。
広瀬克也氏