私の○○ベスト3Vol.82 土屋うさぎ 私の「元気が出るお笑い芸人のラジオ回」ベスト3
コラム
2025.06.10
第1位 「マユリカのうなげろりん!! #132 ハズレ感の正体」
第2位 「ママタルトのラジオ母ちゃん #2 ブサイク労働者になりたくない2人」
第3位 「マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO) 2023/12/14」
私は漫画家としても活動していますが、原稿の作画をしている時は、どこか耳寂しくなります。音楽を流すのもいいけれど、人の会話を聞いた方が創作のネタに繋がるのでは?
そんな動機で聞き始めたお笑いラジオ。今回は、一人孤独な執筆作業中に聞いていると元気が出るラジオ番組について書きたいと思います。
第3位
「マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO) 2023/12/14」
漫才で大声を出すため声が嗄れてしまう──ならば、あらかじめツッコミを録音しておきタイミングよく流せばいいんじゃないか。そんなアイディアを話し合う回です。
笑いながら聞いていた一方で、第一線で活躍している人はこれほど休みが少ないのか、自分ももっと頑張らなくてはと思えた回でした。
第2位
「ママタルトのラジオ母ちゃん #2 ブサイク労働者になりたくない2人」
この回では、ラジオパーソナリティの二人が仕事の予定について話し合います。
出演する舞台が増えるのはありがたいけれど、今のように詰め込まれたスケジュールで一生働き続けるのはしんどい。
その会話の中で飛び出した「今頑張らないと、俺たちはブサイクな労働者になってしまう。辛いのはこの瞬間だけだと思って頑張ろう」という言葉。
こうして二人は「ブサイク労働者になりたくない!」と仕事への気持ちを新たにすることに。
夢を追いかけていると、理想や希望などポジティブな理由ばかりが注目されがちですが、心を奮い立たせるきっかけは案外マイナスな感情から始まるのかもしれません。
第1位
「マユリカのうなげろりん!! #132 ハズレ感の正体」
私は昔から、学校の授業でペアワークをする際に自分と組んだ相手は嫌がっているんじゃないか、と考えていました。
そんな風に〝なんか残念だな〟と周囲から思われる現象に「ハズレ感」と名前をつける回です。
この「ハズレ感」が己にあるという気持ちは今も心の中に巣食っていて、私は友人を二人きりでご飯に誘うことができません。考えすぎだと分かっていても、相手の時間を自分のためだけに使わせるのが申し訳ないと感じてしまうのです。
けれどこの回で「ハズレ感」に名前をつけ笑いに昇華してもらえたことで、自分の感情を少し肯定できた気がしました。
ラジオがあれば、一人の時間も悪くない。ぜひみなさんも、掃除や料理、作画作業のお供に聞いてみて下さい。
つちや・うさぎ
1998年、大阪府箕面市生まれ、東京都府中市育ち。大阪大学工学部応用理工学科中退。現在は漫画家兼小説家。
2023年『あぁ、我らのガールズバー』で集英社・第98回赤塚賞準入選。同年『見つけて君の好きな人』で小学館・「創作百合」漫画賞佳作。2024年『文系のきみ、理系のあなた』で一迅社・第30回百合姫コミック大賞翡翠賞。『ジャンプSQ.RISE 2024 SPRING』に『ORB』掲載。
また、『謎の香りはパン屋から』で第23回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、同作で小説家デビュー。