私の○○ベスト3Vol.100 真門浩平 私のおすすめパズルゲームベスト3
コラム
2026.09.29
第1位 Portal
第2位 Öoo
第3位 Superliminal
無性にパズルゲームを遊びたくなるときがあります。
パズルというと、厳密なルールのもと、根気強く理詰めで答えを導き出す、やや堅苦しいジャンルをイメージされる方もいるかもしれません。けれど、自分が好んで遊ぶアクション要素の入ったパズルゲームは、思いのほか自由で、気軽に楽しめるものです。今回はその中でも特に、練り上げられた構成や不思議な世界観に心動かされた三作を紹介したいと思います。
第三位は『Superliminal』です。夢の中を舞台とする本作の仕掛けは、「Perception is reality(認識こそが現実である)」というコンセプトで貫かれています。例えば、遠近法によって大きく「見える」だけのものが、この世界では本当にサイズが大きく「なる」のです。ステージが進むにつれて起きることの奇妙さはエスカレートしていき、終盤には文字通り夢の中を彷徨っているかのような酩酊感を味わえます。理詰めとはまた違う、新感覚の面白さと驚きに満ちたゲームです。
第二位は『Öoo』です。本作は、タイトルの文字の形が示唆するように、体の一部が爆弾でできたイモムシを操作するゲームです。言葉による指示や説明が一切ないことが特徴で、「爆弾で何ができるか」「アイテムにどういうルールがあるか」などを、プレイヤーは自ら試行錯誤しながら学んでいくことになります。一見するととても自由度が高いのですが、誘導の仕方が本当に絶妙で、次に何をすればいいか、プレイヤーは気持ちよくひらめき続けることができるようになっています。すべて作者の手のひらの上だったと気づいてなお面白い、すごい作品です。
第一位は『Portal』です。本作においてプレイヤーは「ポータルガン」という銃を用いて、壁や床、天井など好きな場所にオレンジ色の穴と青色の穴を開けることができます。法則はシンプル──二つの穴は繋がっていて、片方の穴に入るともう片方の穴にワープすること。プレイヤーは知恵を絞りながら穴を行き来して、用意されたステージたちを突破していきます。それだけでも十分面白いのですが、真骨頂はなんといっても後半、ゲームが一変するある瞬間です。パズルゲームはただの頭の体操ではなくて、こんなにもわくわくするものなのか。そう思わせてくれた、自分がこのジャンルを好きになるきっかけとなった一作でした。続編の『Portal 2』ではさらにパズルの幅が広がっており、合わせておすすめです。
その世界で成り立つルールを学び、そこならではの仕掛けや論理を楽しむという点で、アクションパズルゲームは特殊設定ミステリによく似ています。また、優れた小説にも引けを取らない、作り込まれた世界観やストーリーを堪能できる作品もあります。今までパズルゲームに触れたことのない方、無機質なものだとどこか敬遠していた方も、ぜひ休日のお供にしてみてはいかがでしょうか?
真門浩平(まもん・こうへい)
1999年、アメリカ生まれ。東京大学大学院修士課程修了。2022年、「ルナティック・レトリーバー」で第19回ミステリーズ!新人賞を受賞。2023年、「麻坂家の双子喧嘩」で新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」第三期に入選(『バイバイ、サンタクロース 麻坂家の双子探偵』に改題)。他の著書に『ぼくらは回収しない』『終着駅で待ち合わせ』がある。