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私の○○ベスト3
Vol.37 床品美帆 怖くない! ぜひ見て欲しい癒やしのオートマタ ベスト3


一位「The Silver Swan」
二位「The Peacock Clock」
三位「The Writer」



東西東西。
皆様初めましてこんにちは、床品美帆と申します。
本日は何を語っても可、という素敵なお達しでございますので、今回は私の大好きなオートマタについてお話しさせて頂ければと存じます。
オートマタ、複数形ではオートマトン。ゼンマイを動力源に歯車とバネで動くアンティークのオルゴール人形でございます。
私はミステリーズ!新人賞を頂くまで、エンタメ業界という魔境で息も絶え絶えになりながら働いておりました。夜中まで働き詰めでぼろ雑巾以下に擦切れた精神を、夜な夜な虚ろな瞳にオートマタの動画を映して癒やす日々。
これがまた不思議とよく眠れるのです。歯車とゼンマイを軋ませ、ジリジリ……チリンとなんとも味わいのある音を響かせながら動く、人や動物の形をした物達。
これは絶対に眠れる。いわゆる「寝落ち動画」として不眠に悩む友人たちにも勧めてみましたところ、「怖すぎる」「夜中に人形の顔はキツイ」等、すこぶる不評でした。
が、今回めげずにまた皆様にご紹介したい次第でございます。


三位「The Writer」

一見キュートな男の子の人形ですが、その正体は、ボディにぎっしりつまった歯車が緻密に連動し合い、手に持った羽ペンで実際に絵や文字を描くことができる驚異のマシンです。
250年前の発表当時、王女様の御前で似顔絵ではなく犬の絵を描き上げてしまい大ウケ、大人気になったのだとか。


二位「The Peacock Clock」

3mはあろうかという巨大な金の檻の中で、羽を休める黄金の孔雀。ゼンマイが巻かれると、孔雀はまさに今眠りから目覚めたかのように首を左右に巡らせ、大きな美しい羽を広げます。200年前の機械仕掛けの巨大な黄金鳥が、羽をゆすり囀(さえず)る姿を想像してみてください。なんたる浪漫でありましょう。


一位「The Silver Swan」

きらめくガラスの波の上を泳ぐ白鳥が一羽。涼やかなオルゴールの音色の中、白鳥は優雅にくちばしで魚を捕まえ、喉の奥へと流し込む……その本物と見紛う程の動き、光を乱反射しながらキラキラと白銀色に輝く白鳥の美しさといったら!
これが250年前に作られたというのだから、ああ、なんということでしょう!
筆舌に尽くしがたいその美しさ、ぜひ実際にご覧下さい!

さあ、いかがでしたでしょうか。
今までオルゴール人形に興味なんて無かったけど……、ほら、何だか少しだけ気になってきたのでは?
そんな貴方様はYouTubeでさっそく検索などし、100年を超えるゼンマイとオルゴールの音色に心を癒やしてみてはいかがでしょうか。






ゆかしな・みほ
1987年大阪府生まれ、東京在住。同志社大学卒業。会社員として働きながら、定時後は執筆生活に勤しむ毎日。2017年、第15回北区内田康夫ミステリー文学賞特別賞(区長賞)を「赤羽猫の怪」で受賞。2019年、『ツマビラカ~保健室の不思議な先生~』で第16回ミステリーズ!新人賞受賞。同作は『二万人の目撃者』と改題し、『ミステリーズ!』vol.97に掲載、Kindleで電子書籍化されている。