私の○○ベスト3
Vol.60ラランド・ニシダ NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」最近のベスト3
1位「85歳、職人の夢〜旋盤職人・岩井仁〜」
2位「庵野秀明スペシャル」
3位「旅する家族、春をつなぐ 〜転地養蜂家・藤井髙治〜」
プロフェッショナルが大好きでNHKオンデマンドに加入しております。メインの動画配信サブスクがNHKオンデマンドという珍しいタイプの人間です。絶対に見て欲しいのでネタバレをしないように、努めて慎重に書きます。昔のやつも好きな回は沢山あるのですが、最近の回に絞ってランキングにします。
あんまり働いてないのに、プロフェッショナル見てすみません。
3位「旅する家族、春をつなぐ 〜転地養蜂家・藤井髙治〜」
文章を書いている現在での最新回。
ミツバチの巣箱を日本各地に運び、蜜の採集を行う転地養蜂家という職業に密着。プロフェッショナルは映像の美しさへのこだわりが半端じゃない回が幾つかあるのだが、わたしが見た中で今回が最高峰。
来年80歳を迎える藤井さんの養蜂に対する愛を語るエンディングテーマが流れる前の話でわたしは泣いてしまった。
2位「庵野秀明スペシャル」
エヴァンゲリオンが好きだからというのもあるけれど、ドキュメンタリーとしても素晴らしい。75分のスペシャル回。
エヴァンゲリオン最終作の制作過程に4年密着。庵野さんに振り回され続ける制作チーム、そして庵野さんの創作する上での苦悩が描かれる。
制作チームのスタッフさんが庵野さんの居ないところで庵野さんに対する気持ちを言う場面が何度かあるのだが、そこでのスタッフさんたちの言葉選びが絶妙だし、庵野さんが居ない時に、はしゃいでるスタッフさんたちの雰囲気も好き。創作に携わる人間の孤独が見ている方が怖くなるくらいに描かれている。
自分の撮られ方でスタッフと会議をしているのは、プロフェッショナル史上庵野さんが初めてじゃないかと思う。
1位「85歳、職人の夢〜旋盤職人・岩井仁〜」
町工場で旋盤職人として働く85歳(オンエア当時)のおじいちゃんの話。新幹線や瀬戸大橋などに必要な部品を作る旋盤職人。コンピューター制御で作られた部品より誤差のない緻密な部品を手作業で作っていく。
スポーツ選手やタレントさんの密着はもちろん面白い。けれどそれはそれとして、プロフェッショナルという番組の本質は普段は想像もつかない仕事人にフォーカスすることだと思う。岩井さんが今まで携わった仕事に対する後悔、二人三脚で歩んできた奥様に対する愛情、町工場で職人として生きることへのプライド。いろんな感情が合わさって立ち現れる岩井さんのプロフェッショナルが感動的。絶対に見て欲しい回。
ラランド・ニシダ
1994年生まれ、山口県出身。上智大学在学中に同級生のサーヤとお笑いコンビ「ラランド」を結成し、2019年にはM-1グランプリでアマチュアながら準決勝まで進出。小説の執筆も行い、講談社「小説現代」やKADOKAWA「小説 野性時代」で作品を発表している。初の小説集『不器用で』(KADOKAWA)が2023年7月24日に発売された。