私の○○ベスト3
Vol.69 渡辺 優 私の「時間泥棒ゲーム」ベスト3
第一位 アストロノーカ
第二位 マインクラフト
第三位 ポケットモンスター 緑
素晴らしいゲームとは往々にして時間泥棒的な側面を持つものだと思います。私がとりわけ時間をごっそり奪われたと感じたゲームをざっくりランキングしたいと思います。
第三位 ポケットモンスター 緑
小学生の頃、ニンテンドー様から発売されたポケモン。多くの子供たち同様にどはまりし、人格形成に大切な時期の貴重な時間をポケモンゲットに捧げました。中でも、レアでキュートなポケモン「ラッキー」をゲットするために「サファリゾーン」なるエリアをぐるぐるぐるぐるぐるぐる徘徊し続けた時間は、子供心にその時間浪費っぷりに背徳感すら覚えたものです。
第二位 マインクラフト
私はこのゲームをつい最近、狩野英孝さんのYouTube配信を見たことをきっかけに始めました。そのためまだまだ奪われた時間は少ないほうなのですが、今後もざくざく奪われていく予定なので二位です。こちらのゲームは広大なオープンワールドの世界で「なにをしても自由」であることが特徴的なスタイルです。私はその中で「石炭を掘ること」に心奪われてしまい、素敵な家を建てることも広い世界に冒険に出かけることもせず、ひたすら地下を掘り進めています。石炭があると松明を作ることができ、陽の光の届かない地下深くでも明るく作業をすることができます。松明を作るためにさらに地下を掘って石炭を探します。楽しいです。
第一位 アストロノーカ
1998年にプレイステーションで発売されたゲームです。プレイヤーは宇宙野菜を作る宇宙農家となり、宇宙野菜コンテストで優勝すること一点を目指します。「自由」の対極にあるかのようなゲームですが、私はこれを小学生と大学生のときにそれぞれクリアし、さらに数年前にプレイステーションVitaで購入しクリアしました。人生で定期的にやりたくなるのです。宇宙野菜の種を交配し、品種改良を重ねていくことでより素敵な野菜が作れることが醍醐味です。求める品質の種ができるまで、何時間でも交配マシンにかじりついて、「星カブ」や「土星ナス」、「コスモニンジン」の改良に耽溺しました。
今後も素晴らしいゲームに時間を盗まれていくことを楽しみにしています。
渡辺優(わたなべ・ゆう)
1987年、宮城県生まれ。2015年に『ラメルノエリキサ』で、第28回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。著書に『自由なサメと人間たちの夢』『カラスは言った』『私雨邸の殺人に関する各人の視点』などがある。