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私の○○ベスト3
Vol.42 方丈貴恵 私の好きなアクション・サスペンス映画ベスト3


第一位 インセプション
第二位 マッドマックス 怒りのデス・ロード
第三位 007 スカイフォール



親が『子供向けじゃない映画も気にせず見せる』タイプだったので、幼稚園の頃から(ハードなものも含め)アクション・サスペンス映画にどっぷりハマっていました。今回は私の好きな作品ベスト3を、可能な限りネタバレなしで紹介したいと思います。


第三位 007 スカイフォール

ダニエル・クレイグ版ボンドはどの作品も渋くて最高なのですが、本作はアクションのみならずサム・メンデス監督の映像美まで堪能できる贅沢な作りになっています。前作・前々作から路線を変えて、Qを含むメンバーが復活したのも嬉しいポイントです。歴代007シリーズが好きな人であればあるほど、今作の真のボンド・ガールには意表を突かれることでしょう。
マンネリ化を華麗に避けつつ、「まだこんな展開があったのか!」と息を呑ませる……私の理想とするエンタテインメントの一つの完成形を見た気がしました。



第二位 マッドマックス 怒りのデス・ロード

あの伝説的なシリーズが、まさかこんな風に復活をとげるとは……。老いなど全く感じさせないジョージ・ミラー監督によるハードなアクション&独特の世界観(何なんですか、あのエレキギターは!)は一度観たら癖になってしまうこと間違いなしです。往年の映画を思わせる懐かしさと斬新さが入り交ざる絶妙なバランス感覚も素晴らしく、「こういう映画が観たかったんだ!」と叫びたくなりました。
ミラー監督のように、創作において進化をし続ける年齢の重ね方ができたらな……と思いながら日々を過ごしています。



第一位 インセプション

鑑賞中にこれほどワクワクした作品は後にも先にもありません。まず、「特殊設定」好きの私は「夢の中に入る」という展開に心をわしづかみにされてしまいました。こういうSF設定のものは出オチ感が強いことが多いのですが……クリストファー・ノーラン監督に関して言えば、そんな心配は無用です。物語冒頭で早くも「夢の中の夢」の存在が明かされたかと思うと、その設定を余すところなく駆使した、予測不能な展開・アクション・映像美が紡ぎ出されて行くのですから。
その様はまさに圧巻で……私の考える「特殊設定もの」の理想が、私の想像力などをはるかに凌駕した形で体現されていました。
ちなみに、同監督の『ダークナイト』も候補だったのですが、一監督一作品というルールにしたのでランキングから外しています。この作品もおすすめですよ。




ほうじょう・きえ
1984年兵庫県生まれ。京都大学卒。在学時は京都大学推理小説研究会に所属。2019年、『時空旅行者の砂時計』で第29回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。