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私の○○ベスト3
Vol.64 砂村かいり 私のよく使う通販サイトベスト3


1位 Qoo10

2位 minne

3位 ZOZOTOWN



 新型コロナウイルスの蔓延を機に、通販サイトを利用する機会がぐっと増えた。
 オンラインショッピングは楽しい。自分自身へのプレゼントを用意しているような感覚があり、たとえ消耗品の調達であっても届いたときと開梱時には少しわくわくする。欲しいものほどすぐに手に入らない方がいいのではないかと考えてしまうほどに。
 今回のランキングは個人的に好きでよく利用する通販サイトを挙げたものであり、特定の企業やサービスを利する意図はない。また、ほとんど生活の一部と化しているAmazonと楽天は別格なため除外した。


3位 ZOZOTOWN

 外に出ずして手軽に心を潤わせたいとき、ZOZOTOWNの検索窓に「食器 セット」と打ちこんで検索結果を眺めるだけで、至福の時間が流れる。食器が好きなのでたまらない。もちろん他の単語にも置き換え可能である。
 言うまでもなく、衣類やファッション雑貨も豊富だ。店頭では在庫切れだった商品がひょっと手に入ったりもする。「FrancfrancとANNA SUIってそんなにたくさんコラボしてたんだ……!」といった発見の驚きも味わえる。
「あなただけのタイムセールアイテムがあります」と通知が来ると、「またまた~、みんなに同じこと言ってるくせに~」と突っこみを入れながらアクセスしてしまう。
 ZOZOと言えば、送料の変遷がおもしろい。一時期は「送料自由」を謳っていた。購入者が金額を決められるという画期的なシステムで、無料を選択することも可能だった。さすがにそれは申し訳なくて、100円や200円に設定し支払っていた自分は小心者だろうか。


2位 minne

 ハンドメイド作家による手作り品をオンラインで購入できるサービス。現在すっかりポピュラーになりさまざまなサイトが立ち上がっているが、minneはその先駆け的存在だ。
 自分の感性や用途にぴったりなものが、大量生産された市販の商品にはない種類やクオリティーで揃っている。たとえば自分はモチーフとしてのクリームソーダが大好きなので、「クリームソーダ ピアス」で検索してその結果を舐めるように読みこんでいる。
 セミオーダーのオリジナルグッズを作ってくれる作家さんも多い。フォントやイラストの選べる住所スタンプやゴム印を、実名でも筆名でも注文した。サイン本制作時に押している似顔絵(特に似せてはいないが)の消しゴムはんこも、minneで作っていただいたものだ。耳たぶ部分にぽちっとピアスを彫ってほしいという細かい希望にまで対応していただき、いたく感謝している。


1位 Qoo10

 日付が変わったら、あるいは朝起きたら、すぐにスマートフォンに飛びついて行うルーティンがある。それはQoo10にログインして、スタンプカードにチェックを入れ、ポイントやクーポンが当たるルーレットを回すこと。
 マーケットプレイス型総合ECモール、と言われても10年前の自分ならぴんと来なかったであろう。時の流れを感じる。自分の場合は韓国コスメの調達が利用の主目的なので、注文するとだいたい韓国から個人輸入する形になる。物流危機を考えると申し訳ない気持ちになるが、店頭で買うよりお得なのでやめられそうにない。
 実際には買わなくとも、購入ボタンを押してショップクーポンとカートクーポンをダブルで適用させ、最終金額を見るだけでも楽しい。「ああ……これがこんな金額になっちゃうだなんて、そんな……」とうっとり甘い溜息をついては、お気に入り登録だけして閉じるのもまた、通販サイトの楽しみかたのひとつなんである(はず)。



砂村かいり(すなむら・かいり)
神奈川県在住。2020年に第5回カクヨムWeb小説コンテスト恋愛部門〈特別賞〉を『炭酸水と犬』『アパートたまゆら』で二作同時受賞し、翌年デビュー。軽やかな筆致と丁寧に書き込まれた人物造形で織りなす人間ドラマが魅力の注目の新鋭。他の著作に『黒蝶貝のピアス』がある。