仕事に恵まれますように、と「芸能神社」と呼ばれる京都の車折神社で手を合わせる李梨。39歳になりタレントとして焦燥感を抱いていた彼女に、不思議な話が舞い込んだ。連れられた部屋には、大物落語家がいて――。
本編を含め、願いを込めて京都の神社を訪れる男女を描く連作官能短編集『美人祈願』は2023年6月発売。
イラスト/松浦シオリ
プロフィール●兵庫県生まれ。京都女子大学中退後、映画会社、旅行会社などを経てバスガイドを務めるかたわら小説を執筆。2010年、第一回団鬼六賞大賞を『花祀り』で受賞。著書に『女の庭』『好色入道』『指人形』『果ての海』『京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男』『女の旅』ほか多数。