世界中に訪れたパンデミック。否応なしに内へと籠る日々が続き、人と会うことが少なくなった日常。徐々に閉塞感のある生活を越え、紅葉前線の南下とともに人々は再び外へと踏み出す、新幹線に乗って――。一歩踏み出す勇気をもらえる、温情溢れる連作短編!
イラスト/浦上和久
プロフィール●1986年千葉県生まれ。上智大学文学部卒。2010年「花に眩む」で第9回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2013年に小説としての初の単行本『あのひとは蜘蛛を潰せない』を上梓。2017年『くちなし』で直木賞候補、2018年同作で第5回高校生直木賞受賞。2021年『新しい星』で直木賞候補。
その他の著書に『骨を彩る』『桜の下で待っている』『やがて海へと届く』『かんむり』『花に埋もれる』など。また小説以外の著書に東日本大震災の被災記『暗い夜、星を数えて――3・11被災鉄道からの脱出――』がある。